RIRBについて

一般社団法人 日本希少鳥類研究所(略称 RIRB)は、希少鳥類を中心とした鳥類の研究を行い、主に学術論文を作成することで鳥学に貢献し、それを基に希少鳥類が生息し続けることができる良好な環境と生態系の維持を目標とする事で、生物多様性を維持した持続的な社会を構築することを目的に活動を行っています。

具体的には、大きく下記の3つの活動を行っています。

事業内容

  • 希少鳥類を中心とした鳥類の生態研究
  • 研究結果の、日本鳥学会誌等査読付き雑誌への論文発表
  • 論文に基づいた科学的な保護方法の確立と実践
  • 他組織等の調査への協力
  • 鳥類調査の受託と委託
  • その他目的達成のために必要な行為

希少鳥類の生態の研究

事業概要_1

主に、レッドリスト掲載の希少種の生態研究を行います。(注:いわゆる普通種を対象としない訳ではありません)。特に、レッドリストの上位記載種と、これまでに生態が研究され論文として報告されていない種類の研究を、優先して行います。

機器装着等、新しい研究方法での生態研究の推進

事業概要_2

従来からの研究方法に加え、GPSやジオロケータなど、近年新しく開発されたロガー等を使用した新しい手法での研究を、積極的に行います。

論文による鳥学への貢献

事業概要_3

上記1と2の研究結果を論文としてまとめ、主に学会誌等の査読付きの雑誌に掲載する事により、鳥学に貢献します。また科学的な手法での研究で鳥学のレベルを高め、それを論文として報告する事で、社会に科学的に鳥と人間との共存の具体的な方法を示し、保護を推進します。このように、希少鳥類の保護を目的として良好な環境とそこに生息する生物の多様性を維持する事で、将来にわたり持続可能な社会の実現を目指します。

飯田 知彦

プロフィール

鳥類学者で、鳥類と生態系の研究者。環境省委嘱希少野生動植物種保存推進員。農学博士。九州大学大学院修了。幼少の頃から鳥類や昆虫類、植物などの研究に励み、高校時代に日本学生科学賞を受賞。専門は、鳥類生態と生物多様性保護のための保全生物学。研究では、つねに人間にもっとも身近な動物である鳥類を、自然界と生態系を代表する生物としてとらえ、人間と鳥類(生態系)の共存を考えている。環境省、地方自治体、企業などで、クマタカや希少鳥類、希少生物などの保護検討委員やアドバイザーなどを多数務める。特に、絶滅の危機に瀕する大型猛禽類クマタカの生態研究を世界で初めて行い論文としてまとめ、後のクマタカ研究の礎を築いた事と、人工構造物への巣箱かけにより、絶滅の危機に瀕する希少種ブッポウソウの保護に成功した事は、保護上の大きな成果である。また、保護の課程で巣箱を開発し、かけてきた経験から、巣箱づくり、巣箱かけを指導、提唱する第一人者でもある。平成27年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰受賞。日本鳥学会鳥類保護委員。


専 門

鳥類生態学、保全生物学、生物多様性の維持


受賞歴

2015年 平成27年度 「みどりの日」自然環境功労者 環境大臣表彰(クマタカ・ブッポウソウ・カンムリウミスズメ・ヨタカ等の希少鳥類の生態研究とその保護の実践を行い、具体的な成果をあげたこと)

2008年 文化財保護 自然環境保護部門
(社)日本善行会(内閣府の管轄組織)

1982年 日本学生科学賞 科学技術庁⻑官賞
個人受賞

1982年 広島県科学賞 特選
個人受賞


所属組織

日本鳥学会(保護委員)
広島クマタカ生態研究会(代表)
ブッポウソウネットワーク(代表) 等


主な実績

  • 絶滅の危機に瀕する大型猛禽類クマタカの生態を世界で初めて研究し、1992年に論文としてまとめ、以後のクマタカ研究の礎を築いた。
  • 環境庁(現:環境省)の保護マニュアル「猛禽類保護の進め方(初版)」のクマタカの項の原稿を作成した。
  • 絶滅の危機に瀕する希少種ブッポウソウを、電話柱等の人工構造物に巣箱をかけることにより保護し、危機的状況から個体数を増加させた。
  • 絶滅の危機に瀕する希少種カンムリウミスズメの非繁殖期の生息域を世界で初めて発見し、論文として報告した。
  • 絶滅の危機に瀕する希少種カンムリウミスズメの非繁殖期の移動と主要な生息域を、ロガー装着により世界で初めて発見し、論文として報告した(共同報告)。
  • 巣箱とそのかけ方についての専門書を初めて著し、社会に巣箱による保護方法の啓発を行った。
  • ひとつで数多くの種類の鳥が利用可能な「万能巣箱」を開発した。


主要論文

飯田知彦(2010) 瀬戸内海西部におけるカンムリウミスズメ  Synthliboramphus wumizusume の複数家族群の初確認. 日本鳥学会誌59:73-75.

飯田知彦(2009) 野生生物保護管理の最前線 – ①猛禽類特集 -クマタカの適切な保護管理のために. 野生生物保護学会誌 Wildlife Forum Summer:8-9.

飯田知彦(2009) ブッポウソウ Eurystomus orientalis の個体群保護の成功例. 野生生物保護学会誌 Wildlife Forum Spring:24-28.

Iida, T.(2008) The first confirmation of the non-breeding habitat of Japanese Murrelets Synthliboramphus wumizusume. Ornithological Science7:163-165.

飯田知彦,飯田繁,毛利孝之,井上晋(2007) クマタカ Spizaetus nipalensis の繁殖成功率の低下と行動圏内の森林構造の変化との関係. 日本鳥学会誌56:141-156.

飯田知彦(2001) 人工構造物への巣箱架設によるブッポウソウの保護増殖策. 日本鳥学会誌50:43-45.

Iida, T.(1999) Predation of Japanese Macaque Macaca fuscata by Mountain Hawk Eagle Spizaetus nipalensis. Japanese Journal of Ornithology47:125-127.

Iida, T.(1995) Ecological Significance of Daily Periodicity in Display Flight of the Latham`s Snipe Gallinago hardwickii : A Study on the Persence of Lek Breeding System. Japanese Journal of Ornithology44:219-227.

森本栄,飯田知彦(1992) クマタカ Spizaetus nipalensis の生態と保護について. Strix 11:59-90.

飯田知彦(1992) 電柱を営巣場所にするブッポウソウ Eurystomus orientalis の繁殖分布. Strix11:99-108.

飯田知彦(1991) オオジシギ Gallinago hardwickii の繁殖行動と生息環境. Strix10:31-50.


著書

巣箱づくりから自然保護へ (2011) 創森社 東京
図解 巣箱のつくり方かけ方 (2019) 創森社 東京


主な出演番組

NHK総合 日曜日19:30〜19:58 「ダーウィンが来た」
2014年9月14日 「謎の鳥 ヨタカ」
2012年10月28日 「森の宝石 ブッポウソウ」


日本希少鳥類研究所

研究所情報


名 称

一般社団法人 日本希少鳥類研究所(略称 RIRB)


所 ⻑

飯田 知彦


所在地

〒105-0011 東京都港区芝公園2-2-10 中和ビル4F


お問合せ

03-5530-8731